シンガポールで看護師と助産師として転職した経験【海外看護師】

シンガポールで看護師と助産師として転職した経験【海外看護師】

私は、シンガポールで看護師と助産師として転職した経験があります。そのことについてお話したいと思います。2008年から2014年の6年間シンガポールに住み、2年間の日本滞在を経て、再び2016年にシンガポールに戻り現在に至ります。

 

この6年間のうち、日本の勤務先→@日系クリニック(産婦人科・小児科・内科など複数の診療科あり)→A日本人小学校の保健室→Bローカルの産婦人科クリニックへと3回の転職をしました。

 

当時の状況

2008年当時、15年以上の看護師・助産師経験がありました。海外では、青年海外協力隊で開発途上国での3年間のボランティア経験がありました。

 

転職活動⇒日系クリニックへ

英語が不得手だったため、日系の病院を中心に赴任前からインターネットで検索していました。

 

運良く見つけた日系クリニックでは、看護師を募集していました。コンタクトを取ってから1か月ほどで面接してもらいました。

 

ちょうど夫の赴任の時に一緒に行くことになっており、その時に面接を先に済ませていました。その後、採用と手続きはスムーズに進みました。自分の仕事の区切りをつけてから行きたかったため、夫の赴任から半年遅れて私も移住して、すぐに勤務を開始しました。

 

前任の助産師が帰国するとのことでちょうど入れ替わりで、産婦人科の担当ということでしたが、健康診断や小児科などに関することも業務に含まれていました。また、ここでは患者の会計も行い、日本語での事務仕事も多くありました。スタッフが辞めて人材が足りなかったようです。

 

給与は日本に比べると非常に安い

当地では、日本に比べると給与が非常に安いです。

 

@日系クリニックは、産婦人科もあったのでいいなと思っていたのですが、給与が安いのでそのことが引っかかっていました。現地の病棟師長さんと同じくらいの給与ですと言われてびっくりしました。私よりも若い日本人看護師たちは、もっと安かったです。

 

でも、それにはからくりがあって、当時は円為替が当地通過の1シンガポオールドルが60円、今では80円に変わっています。60円だったからこそ円に換算するととても安く感じたのです。

 

看護師免許

当地での看護師免許は、そのクリニックでの医療行為のみという条件つきで取ることができます。日本の厚生労働省から英文の看護師免許を交付してもらい、就職先のクリニックからは当地の看護協会へレターを出してもらって手続きしました。

 

試験などは何もなく、当地の看護師免許が手に入りました。殆どの国では、その国の看護師国家試験などを受けて合格しないと免許はもらえません。世界でも珍しく、日本の免許がそのまま使える国でした。経験年数はある程度必要でした。

 

でも、今では新しく看護師免許を手に入れるには、経験年数プラスこれらの手続をしても試験を受けなければならず、簡単ではなくなっています。

 

免許の申請の時と面接の時には、大学や専門学校の英文の卒業証明書、在職証明書が必要です。学歴詐称もあるので、本当にその学校を卒業したのか、その施設に在籍していたのかを証明する必要があります。英文の証明書作成が難しいと言われた場合は、自分で作って何が書いてあるのかを説明して、サインや印鑑をもらいましょう。余談ですが、当地に限らず、海外では助産師よりも看護師の地位の方が高く、看護師の免許を取ることが多いです。

 

日本人小学校へ転職 保健室の看護師さんへ

転職活動と言えるようなものはあまりしていませんが、転職先を探してはいました。

 

「保健室の看護師を探している」と、同じ職場の看護師から聞いて、話を聞きに行ったらすぐに決まりました。

 

このように、知り合いからの紹介で転職先が見つかることもありますので、アンテナを張り巡らせておくことも重要です。ここでの給与はあまりよくありませんでしたが、これまでのクリニックの方針について行けず辞めたかったこと、学校保健に興味があったことで転職を決めました。

 

やるからには勉強してきちんと仕事したいと思っていました。養護教諭の免許を持っていなかったこともあり、勉強したいと思って通信教育などを探しましたが、結局ありませんでした。これまで産婦人科で新生児を見ていたので、小学生を前にして、赤ちゃんたちが大きくなるとこんなに立派になっていくんだという、とても嬉しい気持ちを持ちながら仕事をしていました。ここは、1年9か月ほどで辞めました。助産師の仕事がしたくなったのです。

 

ローカル産婦人科クリニックも経験

当地には、日本人御用達の産婦人科クリニックが複数ありましたが、一番人気のところを選びました。そこは、日本語が堪能な女医先生がいて人気が高く、日本人妊婦さんがたくさんいると聞いていました。日本人スタッフがいないことも知っていました。

 

友人に、「表向きは募集していないけど、履歴書持って行っちゃえば?」なんて言われて、海外だとそれもありかなと思い、日本語の履歴書を持っていきなり訪ねました。なにしろ英語で説明ができません。仕事がしたいという旨と得意分野などを書いて、まずは面接してもらえないかどうかという文面の手紙も同封しました。そうすると、マネージャーがたまたま受付にいて日本語である程度話を聞いてくれました。

 

助産師免許を持っていること、母乳育児の指導やマッサージができることに興味を持って頂いたようでした。面接が決まり、その後すぐに採用になりました。パートタイム勤務ですが、母親教室や母子の家庭訪問、助産師外来、母乳外来など、多彩に任せてもらい、楽しく仕事ができるようになりました。

 

時給換算では、はじめの日系クリニックの倍の時給、日本よりも良い単価で働けるようになりました。就職してわかったことですが、日本人の妊婦さんが多く、保健指導や母乳育児の指導ができる人が欲しかったでようです。本当にタイミングが良かったです。

 

給料交渉の時に、経験年数と学歴(大学院修了)などをアピールしました。日本人であるため、ローカルスタッフよりも優遇してくれたようです。結局、2年の日本滞在を経て、またシンガポールに戻った後もにそのクリニックへ再就職し、今に至ります。

 

面接の時に伝えること

@ 自分の条件
自分の考えている条件は、きちんと話します。それがすべて叶うことは難しいと思いますが、伝えておくことは大切だと思います。

 

A 給料
給料の希望額も聞かれます。特に大きな病院では、聞いて参考にするだけでやはり病院の方針に従う形にはなるでしょうう。Bローカル産婦人科クリニックでは、希望額そのままではありませんが、きちんと考慮してもらった形になりました。常勤希望でしたが、パート勤務となり、そのかわりに自分のやりたいこと(母子の家庭訪問や母乳外来)なども企画書を作って相談すると、認めてもらえたことはとても嬉しかったです。

 

B 自分の得意分野と不得意分野
15年以上の経験で、大学病院から市民病院、クリニックと色々な施設での勤務、開発途上国でのボランティア経験などから、信用してもらったようです。これまで、妊婦さんからの母親学級や母乳のためのマッサージについての希望が多く、できるスタッフがおらずに困っているようでした。これまでも普通にやっていたことなので「私、できます」とはっきりアピールしました。日本と勝手が違う海外ですが、日本人の妊婦さんが相手だと求めていることは同じです。クリニックが希望する分野と私の得意分野が合致したので、きちんと伝えました。

 

反対に苦手なことも聞かれたら、きちんと伝えます。私の場合、英語が不得手でした。スタッフとのコミュニケーションは片言英語、文法がなっていない英語でしたが、書いたり、ゼスチャーで伝えていました。その国の公用語はできるに越したことはありません。

 

海外転職の魅力

日本の常識や自分の中のスタンダードが通じないことが、面白いと感じます。海外に住むと言うことは生活自体が日本と違うので、これまで持っていた常識が通じません。でも、海外では文化や習慣が違って当たり前なので、自分の常識が通じないことを楽しめると毎日が面白いです。

 

シンガポールは、中華系、インド系、マレー系の人がおり、公用語も中国語、マレー語、英語で駅などにもそれぞれの表示があります。その上シンガポールはビジネス展開の宝庫のため、外国人が多く住んでいます。自分の知らない言葉が聞こえる環境が普通です。

 

お互いの国の文化や風習のことを話したり、その国の食べ物に親しんだり、日々発見があります。医療システムも違って効率性を重視され、診察に時間がかかるとその分加算対象になったり、検査結果は問題なければ、電話連絡で済ませたり、他のローカルの病院では、診察の後「赤ちゃんは大丈夫です」と説明が一言で終わる場合もあると聞いています。国が違えば医療も様々だなあと思っています。

 

外国語が操れるようになったり、グローバルな感覚が身についたりするのには、時間がかかるかもしれません。外国は全てにおいてその国の特徴があります。それぞれの違いを受け止めるまでストレスを感じることもあるでしょう。でも、どうしたら自分が楽しめるか、どうしたらその仕事を成功させることができるかなど、自分の力で考え、工夫できるようになると思います。そして、自分は世界の中の一人という感覚が、自然に身についてくると思います。

 

まとめ

海外では、自分のアピールをすることはとても大事です。日本人相手だと謙虚さも必要ですが、特技や得意分野などは伝えなければ分かりにくいものです。日本人が多く住む場所では、日本人のスタッフがほしいものです。募集していなくても、アプローチしてみると案外うまく行くかもしれません。

 

仕事だけでなく、プライベートもその国の人と関わり、生活していく中で得られるものがたくさんあります。夫の仕事の関係とはいえ、私自身、自分がこんなに長く海外で働くとは新人時代には想像していませんでした。何がきっかけになるかわかりませんよね。海外へ飛び出したい方の参考になれば嬉しいです。

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