助産師と保健指導について

助産師と保健指導について

前回は助産師の夜勤業務について書きました。

 

前回の記事⇒助産師看護師の夜勤業務について

 

今回は保険指導についてです。

 

助産師は出産に関する介助だけでなく、妊娠・出産・産後の女性や赤ちゃんに対して健康に関する教育・相談も行っており、それは全般的に保健指導といわれるものになります。

 

また助産師は女性とその家族の一生に対して、「全てのカップルと個人が、自分たちの子供の数、出産間隔や時期を自由かつ責任をもって決定することができ、そのための情報と方法を手に入れることができる基本的権利(リプロダクティブ・ヘルス・ライツ)に」このような概念により個人に合わせた支援を行うことが必要となります。

 

女性の一生にを支えるために必要なサポートをする助産師の仕事は分娩介助だけではないとご理解頂けるかと思います。そこで今回は保健指導について少しお話していきます。

 妊婦健診

妊婦さんは出産まで妊婦健診を受け自分と赤ちゃんの体調管理をしていきます。病院により違いはありますが、その妊婦健診時に助産師と話をする時間を設け、計測や体重管理等行いながら妊婦さんの不安や質問を聞く時間を作ります。

 

日々産婦人科医は多忙でゆっくり健診時に話を聞く場が無いという声が多く助産師の保健指導として関わりを持つ事が増えてきました。妊婦さんがどんな質問をしてくるか予想が出来ないため保健指導に携わる助産師は経験も知識も豊富ではないといけませんが、今は新人助産師もその指導へ立ち会い先輩の指導の見学をしてどんなことを不安に思っているのか、先輩はどうアドバイスをしているのか学ぶことも大切な勉強です。

 

私たち助産師の行う妊婦健診での保健指導で大事なのは体重管理と妊娠に伴う身体や心の不快症状の改善に対するケアです。スムーズに分娩を進行させるためには体重管理は必須で適切な栄養摂取と適度な運動が必要になりますので、正しい知識を伝えていきます。

 

また妊婦さんは心も身体も変化し自分の変化に対応しきれず不安を表出してくるとこも多いのでアドバイスや対応できる施設を紹介したりする事もあります。たくさんの知識と経験を重ねて早く一人前助産師として指導できるようになれるといいですね。

 

入院中の指導

外来での保健指導はもう少し経験がないと実際行うことはないと思いますが、入院中も保健指導の連続ですので新人さんはここから始めていきます。

 

始めに病棟で行う指導の内容を聞き、先輩の行う指導の見学、指導案の作成をして先輩から許可が出れば独り立ち出来るという流れが一般的だと思います。入院の指導とはどんなものがあるのかお話していきます。

 

@同室指導
お母さんが赤ちゃんと一緒の部屋で過ごすための注意事項を説明する事がメインの指導となります。赤ちゃんの寝ているコットの使い方、置いてある物品の確認を行ったら赤ちゃんに触れてみます。

 

初産婦さんは赤ちゃんに触れるのも初めてという方も多くいますので、赤ちゃんの抱き上げ方や寝かせ方、オムツ交換を実演を混ぜながらお話します。
初めて赤ちゃんに触れるお母さんは不安で、これから病室で二人になってしまうことが心配な方もいますのでいつでも質問に対応出来る事やスタッフに声をかけてもらうなど気軽に話しかけれる環境であることを説明し安心して赤ちゃんとの生活がスタート出来るようにサポートしていきましょう。

 

A授乳指導
同室が始まるといよいよ授乳が始まります。
病院によりやり方は違いますが初回は個別または授乳室で集団で行いますが、授乳はお母さんの羞恥心に配慮しなが進めることが重要です。毎日毎回授乳するようになると母乳は赤ちゃんの為にあるものなので羞恥心も和らいできますが、お母さんそれぞれですので発言や表情を見ながら進めていきましょう。

 

乳房の形は一人一人違い、赤ちゃんの口の大きさや舌の形も違いますので一度でうまくいく事は実は少ないです。赤ちゃんもお母さんもまだまだ初心者ですから練習することで手技も吸い方も取得していくものだということを説明するとお母さんは安心して赤ちゃんと関わることが出来るでしょう。

 

それでも上手くいかないときは乳頭に合わせたマッサージの説明や保護器の使用の判断の相談も行っていきます。お母さんが自信を持って帰るまでに授乳出来るようになるまで授乳指導は続きますので入院中のメインの指導は授乳となりますね。

 

もちろん授乳指導にはミルクの作り方やあげ方、必要量の説明も含まれますのでこちらも指導案に入れて作成してください。

 

B沐浴指導
お母さんが一番妊娠中から興味があるのが赤ちゃんのお風呂ですね。沐浴は病院により見学を行ってから実施する所、パンフレットやビデオで学習してもらい実施のみ行う所があると思います。

 

必要物品の説明も確認、手技の流れを確認してお風呂にいれていきます。お母さんが不慣れだと赤ちゃんも泣いたりバタバタ動いてしまうので自宅ではお湯を少な目に入れるなどの工夫を伝えてあげられるといいですね。自宅ではどのように入れるのかを聞きながら環境に合わせた沐浴方法を伝えることが出来るとお母さんはイメージしやすく安心できると思います。

 

順番や手技にこだわりすぎて入れているお母さんに対して否定的な発言が多いと産褥期は精神的にも不安定ですので自身の喪失につながってしまいます。お母さんが自信を持って行えるような声かけやサポートを心がけましょう。
 
C退院指導
退院が近づくと今度は退院指導です。退院指導も個別と集団で病院により違うと思いますので、自分の病院でのやり方に合わせて指導案を作成してください。

 

主な内容は産後のお母さんの身体の変化や異常のサイン、赤ちゃんのお話、退院後〜1ヶ月健診までの過ごし方、各種書類や手続きの話や家族計画についてなどの話をしていきます。
お母さんは次回病院を受診するのは1ヶ月健診となりますので、それまでの生活全般的なお話をして育児がスムーズに行えるようにサポートします。

 

特に赤ちゃんの身体の説明は正常編と異常編(受診のタイミング)など詳しく説明する事が必要となり、臍の緒の処置や便秘の時、黄疸の悪化など赤ちゃんにとっては早い受診が必要な場合もありますので、きちんとわかりやすく伝えてあげましょう。

 

リプロダクティブヘルスにもあるように女性が一生のうちに何人子供を産むのか、どれだけ期間をあけるのかというお話をする事を家族計画と言います。授乳をしていても排卵する事や産後の身体の回復を配慮した妊娠計画を立てる必要性、望まない妊娠をしないような避妊法について説明しますが、こちらもプライベートな域に入りますので集団指導では配慮が必要となり質問は個別に受けることをお勧めします。

 

退院指導の時間配分は約一時間以内で行いますが、その中で話さなければならないことは数多いです。どこを自分は重点を置いて伝えたいのかをはっきりとさせてから指導に入るようにしましょう。

 

以上、代表的な指導についてのポイントをお話させて頂きました。病院によってはまだ他にも指導があるところや退院指導と家族計画が別々にあるところなど個々のやり方があると思います。

 

どこの病院でも産後のお母さんは初めの育児と寝不足で疲れていて指導の多さに更に疲労感を訴えている方もいらっしゃいますので、そういうお母さんが楽しかった、わかりやすかったと興味の持てる内容を伝えていけると良いですね。

 

次回は帝王切開業務について解説します。
助産師の帝王切開の業務、実務について

 

 

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